数々のメリットを持つ低用量ピルですが、だれもが簡単にのめる薬というわけではありません。

ピルには、血液の流れを悪くする作用があるため、動脈硬化や脳梗塞、血栓症の人などは服用できないことになっています。同じ理由で、35歳以上でタバコを吸う人にもピルの服用は禁忌です。

なお、がんに関しては、乳がんの危険度が増す可能性があるといわれていますが、乳がんは、早期発見での治癒率が高いがんなので、定期的な検査を受けていれば、それほど恐れる必要はありません。また、卵巣がんと子宮体がんは、低用量ピルの服用によって、逆に発症のリスクが低くなることがわかっています。

これらの病気が増えてくる40代以降の人には、ピルは慎重に投与する必要がありますが、その分、きちんと検査を受けることができるため、健康管理にもなるのではないかと私は考えています。

先ごろ、アメリカのHRT臨床試験で、肺や心血管系の疾患が増加するという報告があったことから、むやみにホルモン治療を怖がる人もいるようですが、薬に対する感受性は人それぞれです。

ホルモン剤をのんでも、だれもががんになるわけではないということはわかっていてほしいと思います。また、アメリカでの臨床試験は、「5年以上のみつづけた場合」の結果なので、時期を区切ってのむのもひとつの方法でしょう。

治療を受けるか受けないかは、「自分にとってのメリットがどれだけ大きいか」によって判断するとよいと思います。症状のつらさはもちろん、自分の生活の質を向上させるためにのむのも、決して悪いことではありません。いずれにしても、産婦人科医によく相談することが大切です。






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