更年期の不調は、当然のことながら、女性ホルモンの急激な減少と深い関係にあります。

HRT(ホルモン補充療法)には抵抗を感じる人もいるようですが、今まで体の中で分泌されていたホルモンを外からほんの少し補うことで、急激なホルモンバランスの変化をやわらげることは、決して悪いことではありません。

「体からの悲鳴」であるさまざまな症状を「病気ではないから」と放っておくよりも、HRTを上手に利用したほうが、体にも心にも余計な負担がかからないと私は考えています。

なお、このかたの症状のひとつである手指の変形性関節炎は、更年期には比較的よくみられる症状ですが、HRTでかなり軽減することはあまり知られていません。

このほかにも、首すじや背中の異常なこり、皮膚感覚の異常、胃腸の不調、めまいや立ちくらみなど、どの科に行けばよいのか迷うような症状にもHRTが効く場合が多いので、更年期であれば、どんな症状があらわれていても一度は婦人科で相談することをおすすめします。

HRTと心理的な治療を併用すると、かなり重症の更年期障害も約3ヵ月で改善します。暗かった顔つきが日を追うごとに明るくなり、おしゃれを楽しむようになってきたら、「卒業」ととらえています。

もっともつらい時期を無事乗り越えたかたは、その後の治療法や、HRTを統ける期間についても、自分で考え、決めることができるようになってくるのです。その「自立」のお手伝いをするのが、私たち医師の役目なのかもしれません。






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